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20200523 庭と山のこと

UPDATE : 2020.05.23

こんにちは、昼酒中の写真妻です。

いやあ、なんせ昼酒がうまい。

 

 


 

山は今まさに美しい季節。

台所からリビングまで、庭に面した窓を全て開け放って飲む酒の、作る料理のなんたる美味。

 

そうして酒を飲むたび、夫と毎回「いやあ、矢部さん、さすがだよね」と言い合っています。

この状況、この景色を想像しながら設計してくれたであろう矢部さん。

最高です。たまらん。ありがとうございます。

 

ほんま、酒好きの家は酒飲みの建築家に依頼するに限ります。

昼から飲み過ぎてもこれじゃあ仕方がないでしょ。

 

 

 

さて、このひと月余り、世間はコロナ禍で自粛の真っ只中。

我々もまたステイホームせざるを得ない日もありましたが、

だからと言って、毎日毎日そんな感じで酒ばかり飲んでいたわけではありません(ほんまか)。

 

 

 

なんせ春は大忙し。

まだ山桜が咲き始めた頃からよいしょよいしょとあちらこちらに穴を掘り、土を作り、植物を植え、草を刈る日々。

 

 


 


 


 

なんせここらの山の土は粘土質…とても硬い。

家谷さんオススメの7キロの重さの鉄の棒(根切り鍬)でドスンと突き刺してぐいっと土を起こす。これを延々繰り返しました。

なかなか大変な作業です。

写真妻、二の腕がさらに逞しくなりましたよ。

 

 



 

今回、庭づくりに使った植物のほとんどは、もともと以前に住んでいた家でわたしが十年以上栽培していたものたちです。

種子をまいたり、挿し木をしたり。

鉢の表面に飛び込んだタンポポやスミレ、ヒメウズなどの草もそのまま同居させて。

 

 

 


 

いつか自分の庭を持った時のために、ずっと鉢植えの状態で管理して来ました。

その鉢たちを、ここで満を持して開放。

大好きだったあの庭を、新しい家に連れて来たわけです。

 


 

だから新しい庭なのにどこか懐かしい嬉しさがあるんです。

それでいて新鮮。

新しい表情も見せてくれる。

 

 


 


 


 


 

 


 

 

半分屋外な勝手口スペースにも熱帯亜熱帯植物コーナーを設置。

ここは冬場は温室になる予定。

 


 

果樹園と菜園も我慢できずに見切り発車。

 


 

勢いと思いつきで突如誕生した、家谷さん考案の倒木巨大コンポスト大作戦も絶賛継続中!

 

 

 


 

 

 

まだまだこれから、どんどん変わってゆくのです。

 

「わたしたちの庭」には哲学や思想なんてありません。

植えたいものを植え、好きなことをする。

ただただわたしたちが遊んで楽しむための場所。

それで良いんです。

 

 

さて、穴を掘って植物を植えるのはわたしの役目。

じゃあ夫は?というと…

 


 

庭道具を集めるのにハマっているようです。

 

みんな大好きMakitaの電動工具〜(一部バッタもんもあり)とか、

6メートル伸びる上にすんごい切れるノコギリ〜

とか。なぜかドラえもん風に紹介。

 

集めるのは良いが夫よ、ちゃんと使ってくれ。

夫、我が家の草刈り大臣に就任。

 


 

もはやお家芸の屁っ放り腰。

むしろ安定感。

 

 

 

山の暮らしは毎日が大発見の連続です。

 

生えてくる植物にトキメキの連続。

 


 

イタドリ、ヨモギ、タンポポ、クサイチゴ。

食べられる草もたくさん生えてきます。

イタドリ、初めて食べたけれどやみつき! この春は何度もお世話になりました。

 


 


 

虫も。

こんなに可愛いビロウドツリアブや

 


 

おっかないスズメバチも…!

 


 

覚悟はしていたけれど、まあ凄い。

ハチ、アブのみならずムカデ、ヤスデ、ゲジゲジ、コメツキムシ、カナブン、小さい蛇。

あ、ヒゲコメツキムシも。これはレア(らしい)!

 


 

 

近所のおじさん曰く

「夏はホレ、そこの街灯にカブトムシやクワガタがいっぱい来るで」

ですってよ、少年たち。

そろそろ蚊も出ています。すでに10箇所くらい刺されました。

山の虫ハンパねえ。

ほんまに見たことのないような虫が毎日出現するので、わあわあ騒がしい日々です。

 

 

 

 

騒がしいといえば。

 

4月のある嵐の翌朝。

目覚めて寝室のカーテンを開け、思わず悲鳴をあげてしまいました。

 

駐車場一面に、茶色の紐状のなにものかが、びっしり!

ギャーッ。

 


 

振り返ると、屋根の上にも一面積もっている。

 


 

正体はクヌギの花。家の前の空き地に生えているクヌギの林からどっさりと濡れた花が降って来たのでした。

一夜にして茅葺き屋根になったかのよう。

クヌギの花ってものすごい灰汁が出るんですね。

シミになっちゃって掃除するのも一苦労。

この掃除のために夫は(嬉しそうに)屋根まで届くはしご脚立を買っていました。

 


 

クヌギの林(と我が家の敷地にはコナラも)がある時点で、秋にはどんぐりと落ち葉で大変だろうなあ、とは思っていたのですが、まさか春にまでこんなお土産があるとは。

山、舐めてました。サーセン。

 

 

ところが、屋根の上に降ってくるのはクヌギだけではなかったのです。

約一週間ほど続いたクヌギの雨の次は、山桜のさくらんぼ。

 


 

かわいい。

思えばクヌギの花の前は、山桜の花びらがたくさん降ってきていたのでした。

 


 


 

え、いいやん!めっちゃかわいいやん!

とお思いでしょう。

 

それがあなた。

 

半端ない量のさくらんぼがパラパラッ、コン!コーーン!と絶え間無く降ってくるのです。

 

朝掃き掃除してこれだけ集め、

 


 

夕方また掃き掃除してこれだけ。

 


 

多いわ!いくら何でも!

これ全部発芽…しないよね?

 

 

とまあ、ほぼ隔週で降ってくる山からのプレゼント。

次は何かな、とワクワク(ビクビク)する日々です。

 

 

 

それにしても。

なんて豊かな日々でしょう。

 

 

気がついたら、一日中庭をうろうろしています。

夫ですら、しょっちゅう庭に出てきてはなんやかやとやっています。(データしろ)

ああ、ずっとわたしはこういう生活がしたかったんだなあ。って、思うのです。

 

 

 


 

 

 

そろそろ次の季節。

昨日からホトトギスが鳴きだしました。

夏の山は、どんな姿を見せてくれるのかな。