こんにちは、師走で炎上している写真妻です。
夫は炎上のあまりに発熱なう。はよ寝ろ。
先日、タトアーキテクツ / 島田陽さん設計の「六甲の住居」を撮影に。
実はこのお宅、ちょうど3年前の今頃に、某誌の取材で撮影させていただいたことがあるのです。
このときの出会いがきっかけとなり、また様々な偶然も重なって、施主のNさんとはすっかり仲良くなりました。
しょっちゅう遊びにいかせてもらっている建物なのですが、いざ撮影するとなるとやっぱり見方が変わりますね。
え?酒が入っていないからだろって?
ハイ。そうとも言いますね。
…それはともかく、あれからもう3年も経つのか…色々変わったな…いや何も変わってない気もするな…
なんて感慨も深く、撮影当日。
あの日のようにまだ暗いうちに家を出て、早朝の六甲山、建物に向かう獣道を機材を担いで下りていた、その時。
事件は起きました。
朝露に湿った獣道に足を取られ、滑落する写真妻。
朝日に照らされ、ひっくり返ったまましばし呆然。
ああ、空が青い、今日はいい天気になるな。
しかも両手に荷物、靴は片っぽありません。
起き上がれずにいるところを夫に激写され、そしてその最中を、折しも登校してきたかわいい神大生の男子に目撃される、という、実に実に恥ずかしい事態に。
ああ、スミマセンうちの夫が。
思い起こせば3年前の撮影時にも、わたしはこの裏山で滑落しているのです。
そしてその事件が、「写真妻殺人事件シリーズ」の記念すべき第一の事件になったのでした…
3年前と何ら変わっていない我々夫婦。
…フッ。
その後はちゃんと気を取り直して撮影に。
竣工写真の撮影は、ほとんどの場合、建物が完成して間もない頃に行われます。
だからこんなふうに、完成して数年してから撮影する、という機会はあまりありません。
建物と暮らしがすっかりなじんで、はじめには予期していなかったような風景が見え出して。
ちょっと汚れたり、修理をしていたり、庭が雑草だらけになっていたり。
古くなったぶん、味も出て。
建築のおもしろさがここにあるような気がします。
そういう撮影、好きです。
夫はあの日と同じように草むらに潜ってカメラを構え、
島田さんはあの日と同じくアオギリの木を伐採し、
施主のNさんはあの日と同じく大掃除。
そしてわたしはあの日と同じく山で滑落。
そしてあの日と同じように、みんな身体じゅうひっつき虫だらけ。
かわった風景、かわらない我々。
楽しい撮影でした。